Entries from 2021-01-01 to 1 year

【『プロメテウス達よ ー ××××】タイトルの由来

作品目次 【『プロメテウス達よ』前書き】 オットー・ハーンを作品の"トリ "に選んだ理由 (エピローグの前書き…ウェブ限定) わたしが原子力開発関連の本を執筆していてその書名は暫定的に「プロメテウス達よ」に決めていると言った時に「そのタイトルは⋯。」…

【『プロメテウス達よ』前書き】

科学上の仕事は砂上の家のような征服者の栄華の夢とは比較ができない。 寺田寅彦(一八七八年 ~ 一九三五年)「相対性原理側面観」より 前言 紙も筆もない、文字もなく言語さえも今とは比べ物にならないほど稚拙だったと思われる太古の昔に、世界各地に存在…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて】

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」7/7 この正真正銘の原子番号九十三番の超ウラニウム元素はベータ線を発するので、それは超ウラニウム元素よりもさらに原子番号の高い原子番号九十四番の元素に変化し…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて】

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」6/7 物理と化学の両分野において研究は非常に早い速度で進展しました。ウラニウムからバリウムが生じたことを報告する論文を発表してからたった一年後にはL. A. タ…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて】

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」5/ 7 当初観察された放射能と放射性ランタニウムの生成による量の増大は両方のサンプルで観測誤差を考慮した場合同じでしたが、多種のバリウム塩の結晶化によって担体…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて】

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」4/ 7 この物質の分離は硫化バリウムを分離する方法ではなく、バリウム沈殿物を分離する方法で行われましたが、その方法によると表面に他の物質が吸着されます。しかし…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」3/7 リーゼ・マイトナーと私は、この十三分の寿命しかない元素がプロタクティウムの同位体であるのかどうかをつきとめるためフェルミの実験を繰り返すことにしました…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで(オットー・ハーンのノーベル賞受賞講演)」2/7 一九三二年には陽電子、重水素、そして最も重要なこととして中性子が発見されました。中性子は三つの国でなされた探査の結果として発見されました。最初にその存…

【『プロメテウス達よ』エピローグに代えて

「天然ウラニウム崩壊の発見から人工核分裂まで」1/7オットー・ハーン一九四六年十二月十三日ノーベル賞受賞記念講演 (注:この講演の版権はノーベル財団にあり、原文を翻訳するに当たり同財団からの許可はいただいておらず、また英文からの翻訳の正確性を…

プロメテウス達よ 〜 エピローグに代えて

エピローグの前書き (ウェブ限定) 作品の目次 本作品の目次を既にご覧になった方ならご存じでしょうが、当初筆者であるわたしは本ウェブ版の「プロメテウス達よ」は第六章の「冷戦」で完結させるつもりでした。その理由は、わたしが知る限り、この段階(原子…

プロメテウス達よ 〜 ここからどこへ?

作品目次 編集が済み次第、アマゾンから電子出版します。出来れば今年中に本ブログで発表した本作品ともう一つの作品の発表を完了したいと思います。わたしがこの二作品の全文を公開した意図の根底にはある強いこだわりがあります。それは英米を中心として始…

プロメテウス達よ (付記 - 参考文献)

参考文献 (アルファベット順) 作品の目次 文献一覧(著者名アルファベット順)Bird, Kay, Sherwin, Martin “American Prometheus, The Triumph and Tragedy of J. Robert Oppenheimer”Cassidy, David C. “Uncertainty ~ Life and Science of Heisenberg”Comp…

プロメテウス達よ (付記 - 科学者の名簿)

プロメテウスの名簿(五十音順 科学者のみ)本文中のリンク先はウィキペディアです。 作品の目次 アインシュタイン、アルバート (1879 - 1955) 国籍:ドイツ→スイス→オーストリア→ドイツ→アメリカ。1912年に特殊相対性理論を発表。1921 年に光電効果によって…

プロメテウス達よ (付記6)

第六章「冷戦」で活躍するプロメテウス達/第六章の参考文献 作品の目次 第六章 トップ ヴェルナー・ハイゼンベルク、マックス・フォン・ラウエ、オットー・ハーン、ウォルター・ゲルラハ、パウル・ハーテック、クルト・ディーブナー、カール・フリードリッ…

プロメテウス達よ (付記5)

第五章「マンハッタン計画(下)」で活躍するプロメテウス達/第五章の参考文献 作品の目次 第五章_トップ オッペンハイマー、コンプトン、フェルミ、ローレンスはドイツの降伏の二日後に召集されて完成間近の原子爆弾の使用法に関して科学者としての意見を聴…

プロメテウス達よ (付記4)

第四章「マンハッタン計画(上)」で活躍するプロメテウス達/第四章の参考文献 作品の目次 第四章 トップ 名門士官学校であるウエストポイントの卒業生で技術系の修士号も持つレスリー・グローブス准将を総司令官とするマンハッタン計画が開始され、ロハート…

プロメテウス達よ (付記3)

第三章「プロメテウスの目覚め」で活躍するプロメテウス達/第三章の参考文献 作品の目次 第三章_トップ ニールス・ボーアは原子核の中に封じられているエネルギーを解放することができるとオットー・フリッシュ経由でリーゼ・マイトナーから告げられ、それ…

プロメテウス達よ (付記2)

第二章「新時代の錬金術師たち」で活躍するプロメテウス達/第二章の参考文献 作品の目次 第二章_トップ ハンガリー生まれのユダヤ人物理学者レオ・シラードはナチスに席巻されたドイツを見限り、ベルリンからオーストリアに、さらにはラザフォードを頼って…

プロメテウス達よ (付記1)

第一章 「プロメテウスの揺籃の地」で活躍するプロメテウス達/第一章の参考文献 作品の目次 第一章 トップ 少年だったヴェルナー・ハイゼンベルクは第一次世界大戦でのドイツの敗北に感化され、学問を究めるきことによってドイツの文化復興に寄与しようと心…

プロメテウス達よ (付記0)

プロローグで活躍するプロメテウス達/プロローグの参考文献 作品の目次 プロローグ トップ アルバート・アインシュタインは彼にとって奇跡の年と言われる一九一二年に相対性理論を発表したが、その一貫として質量のある物体が莫大なエネルギーを内部に秘め…

目次_プロメテウス達よ

本サイトの文章中でローマ数字で示されているのは電子出版予定の本文中では注釈にリンクしていますが本サイトでは直接のリンクは割愛させていただきます。内容は主として出典です。 目次(簡潔バージョン) 前書き プロローグ 第1章 プロメテウスの揺籃の地 …

【読書ルーム(158) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 結論 】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 アインシュタイン、ボーア、ハーン、マイトナー、フェルミ、ローレンス、シーボーグなどの巨人によってもたらされた、ウラニウム…

【読書ルーム(157) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 9/9 (ボーアとハイゼンベルク)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 戦争の傷跡は歳月を経るにつれて風化し、第二次世界戦争中にはドイツ人や日本人全般…

【読書ルーム(156) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 8/9 (ハーンとマイトナー)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 ヨーロッパでは、人生の丁度三分の一に当たる三十年間を実験室の中だけでつれ添ったリー…

【読書ルーム(155) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 7/9 (オッペンハイマー)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 翌年、共和党選出の年老いた大統領アイゼンハウアーが去り、民主党のジョン・F・ケネディ…

【読書ルーム(154) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 6/9 (シラード)】 作品の目 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 シラードは生物学に転向した後も預言者を辞めはしなかった。シラードは機会がある毎に走り、平和の必…

【読書ルーム(153) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス火山達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 5/9 (ゴードスミット)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 アルソス・ミッションでのヨーロッパでの任務を終え、アメリカで大学教授の職に復帰した…

【読書ルーム(152) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 4/9 (ローレンス)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 人類に原子の火をもたらしたもう一人の巨人、サイクロトロンを開発し、現代の錬金術師とも言うべ…

【読書ルーム(151) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 3/9 (アインシュタイン)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 一方、相対性理論によって原子力開発に理論的根拠を与え、晩年に傷心のオッペンハイマーを…

【読書ルーム(150) プロメテウス達よ- 原子力開発の物語】

【『プロメテウス達よ』第6章 冷戦 〜 功労者たちのその後 2/9 (フェルミ)】 作品の目次 このブログの内容全ての著作権はかわまりに帰属します。 【本文】 オッペンハイマーの進退が取りざたされた一九五三年の始め、シカゴ大学で学生指導に熱を入れていた…