プロローグで活躍するプロメテウス達/プロローグの参考文献 作品の目次 プロローグ トップ
アルバート・アインシュタインは彼にとって奇跡の年と言われる一九一二年に相対性理論を発表したが、その一貫として質量のある物体が莫大なエネルギーを内部に秘めているという有名な数式 E=mc2 を導いた。
フロインドリッヒはアインシュタインの一般相対性理論を検証する目的で日食が観測できるシベリアに観測機器とを携えて赴いたが第一次大戦勃発のせいで目的を果たせなかった。
マリー・キューリーはこれより以前、夫ピエール・キューリーと共に放射線物質であるポロニウムとラジウムを分離し、ピエール・キューリーは不変と思われていた元素の永続性に疑問を呈した。マリー・キューリーは夫の死後、放射性物質の化学的性質を研究を継続したが本章での彼女の活躍は第一次大戦中、レントゲン車の開発したことと X 線を用いた傷痍兵の傷痍部位の特定を行ったこと、大きく言えば科学者としての良心の発露となる行動である。
イレーヌ・キューリー(後のイレーヌ・ジョリオ=キューリー)は後に夫のフレデリック・ジョリオ=キューリーと共にアルファ線照射による原子核の分裂を試みてノーベル化学賞を受賞するが、第一次世界大戦中は高校生だったが母マリー・キューリーの助手としてレントゲン車で働いた。
後に核分裂を確認することになる化学者のオットー・ハーンにはプロローグでは触れていないが、第一次世界大戦中フリッツ・ハーバーと共に従軍し毒ガスの使用に加担したがこの経験は彼に深いトラウマを残したようである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC?wprov=sfti1
この章以前に活躍したプロメテウスの中には次の二人が挙げられる。
ヴィルヘルム・レントゲンは可視光線よりも波長が短く透過性が高い X線を発見し、X線は発見後わずか数週間でレントゲンの研究室の最寄の病院で診察に利用された。
キューリー夫妻の友人だったアンリ・ベクレルは X 線よりもさらに波長が短く従って透過性も強い放射線を発見し、キューリー夫妻はこれに触発されて放射性物質(ポロニウム、ラジウム)を発見した。
原子力開発には直接的には無関係であるが、アンモニアの合成に成功したフリッツ・ハーバーはプロローグで描かれる3人の科学者の一人である。
参考文献
i Kueche(台所), Kirche(教会), Kinder(子供)
ii[ii] John Cornwell “Hitler’s Scientist”
iii[iii] Michio Kaku “Einstein’s Cosmos”
iv[iv] Robert Reid “Marie Curie, the woman”、Suzan Quinn “Marie Curie”
v[v] マイペディアなど