「プロメテウス達よ」電子版について

前のエントリーでは電子版発刊が遅々として進まないことからの言い訳からもかなり逸脱してしまいましたが、その間わたしはウクライナ情勢を見守りながら岸田政権がいつになったら原発の再稼働にGo サインを出すのを今か今かと待っていましたが5月23日現在、Goサインは未だ出ていません。今の日本に必要なのは消費税減税と原発再稼働だと思うのですが、あの「聞き上手」の宰相キシやんは何が怖いのか知りませんが、緑の党だかの左巻き政党のツケとして原発を全廃してロシアの天然ガスに依存しきった歴史的盟友でもある可哀想なドイツを原発再稼働と天然ガスのお裾分けという形で救済してあげる気なんてさらさらないのでしょうか?

 

何につけ、ものを怖がるのには正しい怖がり方というものがあります。飛行機は上空でミサイルが飛んできて機体に風穴を開けられれば風船のように破裂して乗客乗員と積載している貨物などは雲散霧消するわけですが、それが理由で怖がって飛行機に搭乗しなければ我が国から一歩でも外に出ることはかなり困難になります。まあ、旅客機にどこぞの物騒な国が発射したミサイルが命中する確率は非常に低いのでその蓋然性のために海外渡航を躊躇する人も非常に少ないわけですが、そのリスクをさらに低減するために衛星画像の解析によるそれらしい動向の察知やレーダーによるミサイル軌道と速度の特定と民間機への警告などが行われて民間機がミサイルに撃ち落とされる確率は一層低減されるわけなのです。原発に関しても同じことが言えます。日本に於いても東日本大震災以前にも小さな原発事故は複数回起きていてその都度再発防止策が講じられていたはずなのですが、今回の原発完全停止は一体何だったのでしょうか? 再発防止策とは初回の事故等の被害の大小に関わらず、将来的に多大な被害が生じる可能性を含む全ての事象を対象として行われるべきなのに、それにも関わらず、今回は東電の福島第一原子力発電所の事故がもたらした経済的被害の大きさに日本の政府と国民、専門家も素人が全てびびってしまったようです。もちろん関連死も含めるとかけがえのない人命の損失も少なからずあったわけですが、日本という国はそんなことでめげる国だったのかとつくづく情けなく思います。

 

そこでわたしが「プロメテウス達よ⋯原子力開発の物語」の電子出版での企図に付け加えることにしたことがあります。それはアメリカ合衆国アイダホ州で1961 年1月に起きた世界初の原発事故を詳述した"Idaho Falls: The Untold Story of America's First Nuclear Accident (William McKeown著)"をわたしなりに編纂して引用の形で掲載するということです。本書の日本語版は未だ刊行されていないようでこの本を読めば初期の原発の安全管理の盲点とそれを克服することによって更に生じてしまった現在の原発の安全システム、正に東日本大震災津波によって引き起こされた東京電力福島第一原子力発電所の事故に直結した問題を明確に理解することができるはずです。もう一つ、前掲の事故後に数社を巻き込んで生じた訴訟案件の被告企業の中にアメリカ企業が含まれていたためにわたしが一部の翻訳を依頼された事故調査報告書で事故のキモになると思われる箇所のコピー・ペイストも引用の形でお見せしたいと思います。後者は事故調査報告書の一部分でもあり、本来見たい人は誰でも入手して閲覧できるものなのでどこにペイストしても問題はないはずですが、一応わたしの著書である「プロメテウス達よ⋯原子力開発の物語」を購読して下さった方の方が理解と関心の度合いが高く、また事故調査報告書を読んで理解することも容易なはずなので電子版の拙著にのみ掲載させていただきます。

 

では今少しお時間をください。

 

以上